転生したら、モブでした(涙)~死亡フラグを回避するため、薬師になります~
ニコラが広げた召喚シートに、フロレンツィアはしゃがみ込んで文字を書き始める。

「可愛くて、モフモフしていて、頼りになって、強くて――」

そんなてんこ盛りの条件を出して、該当する使い魔がいるものか。なんとなく、心配になる。

「これでよし、っと!」

最後に、召喚の呪文を唱えるばかりだ。これは、授業で狙った。フロレンツィアも、暗記しているという。

「では、始めますわ」

スーッと息を吸い込み、一気に呪文を唱える。

「――求めよ、求めよ、求めよ、さすれば、汝は求めるものを、受け取るだろう。叩け、叩け、叩け、さすれば、叩いた門が、汝が汝の為に開かれるだろう」

呪文の詠唱が終わったら、魔法陣がキュルキュル音を立てながら発光する。魔法陣全体が光に包まれ、何も見えなくなった。何かが、召喚されたのだろう。思わずニコラと共に、覗き込んでしまった。私もモフタロウは拾ったので、召喚の儀式を見るのは初めてである。

光がだんだん薄くなる。魔法陣に、小さなシルエットが浮かび上がっていた。
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