冬と恒温
カンカンカンカン バタン

バイト終わりの林檎は、冷気から逃げるように勢いよく扉を閉め、部屋の電気がついていることに気づいた。

「あ…」
無意識に出た呆けた声と共に、今学期で1番大事な授業に遅れないように、謎の人物を放置して家を飛び出した今朝の出来事を思い出した。


「やっべぇ…」

つい心の声が漏れた。
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