メーティスの牙
「マイケル!!」

床にマイケルが倒れていた。どうやら、立ち上がりたくても立ち上がれないらしい。透はすぐにジェニファーと玲奈を叩き起こす。

「マイケル!!」

ジェニファーが慌てて救急車を呼び、玲奈と透はマイケルに声をかけ続ける。ジェニファーが救急車に乗り込み、透と玲奈は救急車が病院に向かうのを見つめていた。

「マイケル、一体何が……」

戸惑う透の背中を玲奈が叩く。その目には強い意志が宿っている。

「うろたえている暇があるなら、行動する。マイケルがああなってしまった原因を、私たちも探すの。私たちは寄生虫の専門家だ。何か見つけられるかもしれない」

「そうだよな。行動しないよりマシだよな」

透は玲奈と共にマイケルの部屋に入る。暖色の家具が揃えられ、綺麗に片付いている。透と玲奈はマイケルのかばんの中に何か入っていないか見たり、引き出しを開けてみるが手掛かりは何もない。

部屋を大方調べ終わり、透がどうすべきか悩んでいると玲奈のスマホにジェニファーから電話がかかってきた。
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