猫になんてなれないけれど
「大和が婚活パーティ・・・いや、想像できないな」

「そうですよね・・・。私も会場で会った時、かなり驚きましたから・・・」

先生と私の呟きに、冨士原さんの鋭い視線が飛んできた。

私はハッとなって姿勢を正し、コホンと呼吸を整えてから、その後の経緯も順に話した。

猫カフェデートをしたことや、萌花の・・・友人の悩みに力を尽くしてくれたこと。

私が不安でいた時に、支えになってくれたことーーー・・・。

簡単に流れを話しただけだけど、ここまでに至った経緯はきちんと伝わったようだった。

話が終わると、先生は、「そうかあ」と感慨深そうな顔をする。

「いやー・・・、けど、まさかだなあ。いや、すごく嬉しいしめでたいけどさ。盲点つかれた感じだわ」

「すみません、驚かせて」

「いや、それはいいんだけど・・・あ、永田さんたちには話してあるの?」

相澤内科クリニックの受付で、医療事務の永田さんと天川さん。

2人の顔を思い浮かべて、私は「はい」と頷いた。

「今日は話せる時間はないと思っていたので、昨日のうちに話しています」

永田さんや天川さんは既婚者で、2人とも、まだ小学生のお子さんもいる。

土曜の勤務終了後、私事で引き留めるのも申し訳ない。

それに元々、冨士原さんファンのお二人だ。

結婚の予定は早めにきちんと伝えなければ、という礼儀のような思いもあって、二人が揃っていた昨日のお昼の休憩時間、一足先に報告をしておいたのだ。


(初めはやっぱり驚いてたし、「なんでー!!」「どういうこと!?」って、問い詰められもしたんだけれど・・・)


相澤先生に話したように、婚活パーティでの遭遇から、段々距離が縮まって、付き合うに至った経緯を話していくと、「いいじゃない!!」「ドラマみたい!!」と、祝福をしてくれたのだ。

二人とも、現在放映中の婚活を題材にした恋愛ドラマにドはまりをしているようなので、その影響もあるかもしれない。


(・・・とにかく、無事に報告できて、「おめでとう」って言ってもらえてほっとしたな・・・)


ほぼ勤務日が重ならない他のスタッフへの報告は、先生が伝えてくれるそうなので、ありがたくお願いをすることにした。
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