猫になんてなれないけれど
「弟さんのお子さん。2人、でしたっけ」

「うん。3歳の男の子と、2歳の女の子。2人とも、なぜかオレに懐いてくれて。まあ・・・結構かわいい」

思わず私は笑ってしまった。

「なぜか」っていう表現と、「かわいい」って口にした際の、照れくさそうな様子がそれこそかわいかったから。

甥っ子たちを可愛がる、彼の姿が目に浮かぶ。

「いいですね。冨士原さん、子どもたちにもモテそうです」

「いや・・・それはどうだろう。親戚のおじさんって理由があるだけで、他の子には怖がられると思うけど」

「そんなことないですよ。・・・あ、最初は怖がるかもしれませんけど・・・。冨士原さん、猫にもモテるし・・・きっと、猫と子どもに人気です」

私が言うと、彼が笑った。


ーーーそこでふと、未来のような光景を、頭の中に思い浮かべた。

想像するのは、昔ながらの日本家屋で。

彼が縁側に座ってて、子どもたちが、その先にある庭で遊んでいる感じ。

そして、あちらこちらで猫が気ままに過ごしてて、その様子を、冨士原さんが穏やかな目で見守っているようなワンシーン。


その想像を話してみると、「いいな、それ」と呟いて、彼は私に微笑んだ。

「当然、そこには美桜もいるだろ?」

「・・・!、はい」

返事をすると、彼は満足そうな顔をした。

これから先の冨士原さんの未来には、私も一緒に描かれていく。

「まあ、子どもは授かりものだからわからないけど・・・。ひとまず、動物が住める家には引っ越したいな」

「あっ、そうですね」


(そうすると・・・さらに次の新居になるね)


冨士原さんの家・・・私がこれから引っ越す予定のマンションは、ペットの飼育は不可である。

そもそも、海外在住中の彼の先輩からお借りしている家なので、いつかは転居が必要だ。

先輩には、私の同居を認めてもらったばかりだし、色々と、相談をしてからになるけれど・・・さらなる次の引っ越しも、これから追々考えなくては。


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