猫になんてなれないけれど
それから、どういう家がいいかとか、内装はどんな感じにしようとか、未来の話に花を咲かせた。

ひとまずは、私と彼と、犬猫が暮らしやすい家。

冨士原さんは完全なる猫派だけれど、最近偶然触れ合った、小さな犬が「なかなかかわいかった」とのことで、犬を飼うのも普通に賛成してくれた。

「小さい犬1匹」という条件だけは、絶対に譲れないとのことだけど。


(なにはともあれ、冨士原さんが犬派に近づいてくれて嬉しいし・・・また、犬と一緒に暮らせるって思うと楽しみだな・・・)


想像すると、自然と顔がほころんだ。

冨士原さんは、そんな私に穏やかな視線を向けて言う。

「猫は・・・、前に行った保護猫カフェで譲ってもらおうか」

「あ、いいですね」

冨士原さんの提案に、私はすぐに頷いた。

数ヶ月前一緒に行った、初デートでもあり・・・私にとっては初の猫カフェ。

あの時、冨士原さんに懐いていたのは、キジトラの・・・モカちゃんだっけ?

モカちゃんが私に懐くかどうかはわからないけど、撫でさせてくれた茶トラの子なら、仲良くなれる気がするし。他にも、運命の出会いがあるかもしれない。

「少し先にはなりそうですけど、ご縁のある子を譲ってもらえるといいですね」

「そうだな。その時、一戸建てだとしたら・・・何匹くらい飼えるかな」

未来を想像するように、冨士原さんが空を見ながら呟いた。

できれば庭付き一戸建て。私と彼と、犬が1匹。そして、たくさんの猫がいるお家。

私も、その情景をぼんやり想像してみると、幸せだけど・・・なんだか胸がざわざわとした。

「・・・犬が1匹だとしたら・・・猫も、1匹がいいと思います」

犬派と猫派。1匹ずつで。それが絶対平等だって、私は正論のように主張した。

けれど彼は悩んだ後で、猫1匹以上がおすすめの理由を述べていく。

「美桜は普通に猫も好きだろ?何匹かいれば、犬が散歩中でも寂しくないし。じゃれあってるのも・・・何匹かで丸まってるのもかわいいよ」
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