猫になんてなれないけれど
(・・・うっ、確かに・・・)


想像すると、それは確かにとてもかわいい光景だった。

そのことだけは確実で、私もきっと、その様子に癒やされるとは思うけど・・・。

ざわざわとする。もやもやとする。

だって、そんなにかわいい存在が、彼の傍にたくさんいるのだとしたら・・・。

「冨士原さんは・・・猫をたくさん飼ったりしたら、猫とばっかり遊びませんか?」

こんなにも、猫好きである彼だから。

気持ちが猫たちばかりに向けられて、私は、ポツンと置いてけぼりになるような・・・そんな切ない予感に捕らわれて、うつむくと、彼が笑った。

「なんだ。美桜は猫にやきもち焼いているのか」

「・・・え」

「違う?『猫とばっかり遊ぶ』って、完全にやきもちなのかと思ったけどな」

「!」


(ま、まさか・・・)


と、反論しそうになったけど、それはすぐ、図星なんだと自覚する。

冨士原さんを猫にとられてしまうって、今の私は・・・・・・そんなことを考えて、猫を相手に嫉妬した。

改めてそれを認識すると、恥ずかしくって、たまらない気持ちになるけれど。

「・・・かわいいな、美桜は」

横目で笑いかけられて、私の胸が甘く震えた。

「猫よりも?」って、聞きそうになってしまったけれど、これが愚問なことはわかるから、あえて聞かないことにする。
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