猫になんてなれないけれど
これらはあくまで推測だけど、事実である可能性は極めて高い。

クレーム男は、相変わらず黙秘を続けているそうだけど、この際もう、幹斗議員本人が全てのことを認めれば・・・。

「今回の事、幹斗議員には直接聞いてる?」

「うん。一千万受け取れって連絡は何度もくるからね。向こうの電話番号は表示されるからわかっているし・・・椿を巻き込んできた時は、さすがにこっちからかけたしね」

「非表示でかけてこないんですね」と、富士原さんは呟いた。

確かに、番号を表示してかけてくるなんて、何かしら証拠を残すことになりそうだけど・・・。

犯人だと考えると、幹斗議員は、かなり抜けているのか・・・それとも、なにか理由があってのことなのだろうか。

「それで、向こうはなんて?」

「それについては知らないって。そんなことがあったのか、心配だねって言われたよ」

「は!?知らない、心配だねって・・・。それだけ?『じゃあ警察に相談しよう』とか、そういう話にはならなかったの?」

「・・・うん、全然。『そんなことより』って、すぐにまた、一千万受け取れってお金の話にすり替えられてしまって」

「はあっ!?」

思わず、カウンターを両手で叩いて立ち上がる。富士原さんが驚いた顔をしていたけれど、今は気にしていられなかった。

「『そんなことより』って、もう、自分勝手すぎるんだけど!!自分が仕組んだことなのにっ」

鼻息荒くそう言うと、富士原さんは、落ち着くよう私を促す。
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