猫になんてなれないけれど
「えっ・・・?」

富士原さんの発言に、私と萌花は驚いた。

だって、「解決できる」って、こんな、先の見えない迷宮のような問題を・・・?

「あの、それはどういう・・・」

「知り合いにいるんです。ちょうど、この件を難なく解決できそうな男が一人。申し訳ありません、色々と考えていて、言い出すのが遅くなってしまいましたが」

「いえ、それは・・・。でも、そんな人が、本当にいらっしゃるんですか・・・?」

安心するより、萌花は戸惑っていた。

無理もない。

だって、警察にも相談できないような問題を、個人的に解決できる人がいるなんて、私だって信じられない気持ちでいるから。

「はい。私の学生時代の後輩で、今は弁護士をしている男です。詳しい素性や、なぜ難なく解決できるのか、今説明するのはあえて控えさせていただきますが・・・信頼できるということだけは、私が保証しますので。萌花さんに、費用が発生することもないでしょう」

「・・・」

冨士原さんの説明に、萌花は不安な顔のままだった。

ためらいがちに口を開く。

「あの、疑うようで申し訳ありませんが・・・。大丈夫でしょうか。警察沙汰や、週刊誌に載ったりするのは」

「それはご心配なく。職業上、彼には守秘義務も当然ながらありますし、万一、そういうことを行えば、私が代わりに訴えますよ。それに、多分ですが・・・彼自身も、表沙汰にすることは個人的に望まないと思うので」

「え?」

頭の中に「?」が並んだ。

けれど、詳しい素性を話せない、と言われているため、なぜ、と理由を尋ねることは躊躇した。

その代わりに・・・。

「冨士原さんが、信頼している方なんですね」

頼りはこれだけ。確認のように尋ねると、冨士原さんは「はい」と強く頷いた。

とても、真っ直ぐな表情で。

「万一、何かあれば私が責任をとりますので。色々と心配があるとは思いますが・・・この件は、私と、その彼に任せていただいてもよろしいですか」

「・・・」

萌花は、唇を結んでうつむいた。

そのまま少し、悩む様子があったけど、「わかりました」と、決意に満ちた顔を上げた。

「こちらこそ・・・・。どうか、よろしくお願いします」

萌花が深く頭を下げた。

富士原さんは、「わかりました」と落ち着いた声で頷いた。











< 80 / 169 >

この作品をシェア

pagetop