猫になんてなれないけれど
「・・・・・・なんか、すごい。青龍さんて、本当にお金持ちなんですね・・・」

馬鹿みたいな感想を、思わずぼそっと呟いた。

だって、あまりにも馴染みがない光景で、ドラマを見ているようだったから。

冨士原さんがクスッと笑う。

「そうですね。青龍の家は、桁外れのレベルですからね」

「・・・ですね・・・」

改めて、「伊集院家」の凄さを思う。

本当に、普通に生活していたら絶対に接点のない人だ・・・。

萌花と2人、呆然と車が見えなくなるまで眺めていると、冨士原さんは穏やかな顔で萌花に言った。

「見送りも終わったし、腹も減ったし。先ほどおっしゃっていただいた、食事、お願いしてもいいですか」

萌花は「あっ!」と声を出す。

「そうでした・・・。すっかり、高級車に気を取られてた・・・」

「ふふっ。ね。私もだよ」

萌花と一緒に笑い合い、冨士原さんも一緒に笑った。

穏やかな時。

幹斗議員のこれからのことは青龍さんにお任せだけど、萌花についてはもう安心。

久しぶりに、萌花の楽しそうな笑顔が見れてほっとする。

そしてそれから店へと戻り、萌花の料理を食べながら、和やかな時間を3人で過ごしたのだった。






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