白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

「十環先輩。
 ちょっと上段に回し蹴りをしてください。
 私に向かって」


「今?」


「はい。お願いします」


 俺は言われた通り
 桃ちゃんの左頬めがけて
 回し蹴りをした。


 桃ちゃんに当たらないように
 頬すれすれで寸止めをしたけど
 怖くなかったかな?


 不気味な桃ちゃんの笑い声にが耳に入り
 余計に心配になった。


「ごめん。
 桃ちゃん、怖かった?」


「いい! 
 すごくいい!!」


 目をキラキラさせて
 顔の前で手を組んで
 俺を見つめている桃ちゃん。


 桃ちゃん!!
 顔、近すぎだから!!


「十環先輩の回し蹴り
 惚れちゃうくらい綺麗ですよね。
 助っ人に来てくれた時も
 見とれちゃったし。」


「龍牙さんに叩き込まれたからね」


「じゃあ今度は
 左の上段回し蹴りして
 回転しながら右上段の回し蹴りを
 した後に、
 足刀でピタッと止まってください」


 そんなルンルンした表情で
 期待をされたら、やるしかないし。


 俺は言われたままを披露すると
 桃ちゃんが握りしめた手を
 ブンブン振りながら
 俺の瞳を見つめてきた。

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