白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)


 俺がさせちゃったんだよな。

 泣くのを必死にこらえているような
 あんな辛そうな顔を。


 必死に唇をかみしめる桃ちゃんの顔が
 俺の頭から離れてくれない。


 桃ちゃんは
 誰かに簡単に甘えられる人じゃない。

 そんなことは
 俺もよくわかっている。


 そんな桃ちゃんが
 ものすごい勇気を出して
 俺のクラスまで来てくれた。


 一緒にお弁当を食べたいって
 自分の思いを伝えてくれた。


 それなのに俺は
 何をやっているんだろう。


 『嬉しいよ、一緒に食べよう』って
 なぜ笑顔で
 言ってあげられなかったんだろう。


 そう思った時には
 お弁当袋に手をかけていた。


「十環くん?」


「みんなごめん。
 俺、桃ちゃんのところに行かなきゃ」


 それだけ告げて
 俺は教室を飛び出した。
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