王妃様の毒見係でしたが、王太子妃になっちゃいました
*
数日後、ロザリーは久方ぶりにイートン伯爵と連れ立って伯爵家に戻った。
ところが、馬車が玄関前に止まっても見送りが出てこない。
「なにかあったかな。行こうか、ロザリー嬢」
伯爵にエスコートされ馬車を降り、中に入ると屋敷は大騒ぎだった。
「どうしたんですかぁ?」
「あ、ロザリンド様、旦那様も。お出迎えが遅れて申し訳ありません」
慌てた執事が持ってきたのは一枚の紙だった。
【大変お世話になったのに、勝手をして申し訳ありません。オードリーを迎えに行きます レイモンド】
レイモンドの書付だ。
「オードリーさんをって……侯爵邸に行ったんですか?」
「何を考えているんだ。全く、どいつもこいつも勝手に動きすぎだ」
イートン伯爵が、珍しく舌打ちをする。
「クリスさんは? 連れて行ったんですか?」
「それが、レイモンドさまはクリスお嬢様と散歩に行くと言って出ていったのです。一時間ほど前になります」
だとすればクリスも一緒に連れて行ったというのだろうか。
レイモンドがまだ幼いクリスを危険にさらす道を選ぶとは思えない。違和感がむくむくと沸き上がるが、レイモンドがそれくらい切羽つまっているのは分かっているつもりだ。
切り株亭第一だったレイモンドが、店を放って連れ戻しに来たのだ。
それくらい、彼はオードリーが大切なのだ。せっかく連れて帰れる段階まできて、今度は警備隊からの拘束。
そして行方不明。居場所が分かれば、すぐに飛んでいくかもしれない。
そして、居場所を教えてしまったのは他ならぬロザリー自身だ。
数日後、ロザリーは久方ぶりにイートン伯爵と連れ立って伯爵家に戻った。
ところが、馬車が玄関前に止まっても見送りが出てこない。
「なにかあったかな。行こうか、ロザリー嬢」
伯爵にエスコートされ馬車を降り、中に入ると屋敷は大騒ぎだった。
「どうしたんですかぁ?」
「あ、ロザリンド様、旦那様も。お出迎えが遅れて申し訳ありません」
慌てた執事が持ってきたのは一枚の紙だった。
【大変お世話になったのに、勝手をして申し訳ありません。オードリーを迎えに行きます レイモンド】
レイモンドの書付だ。
「オードリーさんをって……侯爵邸に行ったんですか?」
「何を考えているんだ。全く、どいつもこいつも勝手に動きすぎだ」
イートン伯爵が、珍しく舌打ちをする。
「クリスさんは? 連れて行ったんですか?」
「それが、レイモンドさまはクリスお嬢様と散歩に行くと言って出ていったのです。一時間ほど前になります」
だとすればクリスも一緒に連れて行ったというのだろうか。
レイモンドがまだ幼いクリスを危険にさらす道を選ぶとは思えない。違和感がむくむくと沸き上がるが、レイモンドがそれくらい切羽つまっているのは分かっているつもりだ。
切り株亭第一だったレイモンドが、店を放って連れ戻しに来たのだ。
それくらい、彼はオードリーが大切なのだ。せっかく連れて帰れる段階まできて、今度は警備隊からの拘束。
そして行方不明。居場所が分かれば、すぐに飛んでいくかもしれない。
そして、居場所を教えてしまったのは他ならぬロザリー自身だ。