王妃様の毒見係でしたが、王太子妃になっちゃいました
その間うつむいているロザリーに、伯爵は父親のような優しいまなざしを向ける。
「……大丈夫かね」
「生きてるって信じてますから」
ロザリーは膝の上で拳をギュッと握ったまま、言葉少なに告げる。その手は震えていたが、伯爵は見ないことにしてほほ笑んだ。
「そうだな。私も信じている。才気あふれる若者が、こんなことで命を落とすなんてことあるわけがない」
城に戻ると、すぐさまカイラの部屋に向かう。
伝令は正しく伝わっていて、部屋の中にはすでにナサニエルもいた。
「陛下。アイザック殿は……」
「報告では行方不明ということだ。ただ不審な点が幾つかある。襲った男たちの装備がやたら上等だったのだそうだ」
山賊であれば、武器は旅人から奪い取った弓やナイフや、木こりが使う斧などが主流のはずだが、襲ってきた男たちは、揃いの片手剣を使用していたのだという。身なりは貧しく、体も薄汚れてはいたが、髪は綺麗に整えられていた、など、どこかあべこべな印象だったというのだ。
「報告をよこした男はずいぶん観察眼があるんですな」
「……これでも、慣れない領地経営でアイザックが困らないくらいには精鋭を準備したんだ、私は」
ナサニエルが不貞腐れたように言うその姿に、イートン伯爵は緊迫した状況であるにもかからわず、笑ってしまう。
「陛下は以前よりお気持ちを言葉にされるようになったのですね」
「私だって反省くらいするんだ。口下手のせいで、うまくいくものもうまくいかないからな」
ちらり、とカイラを見つめて言うナサニエルは、カイラと仲直りをするときは相当苦労したのだろう。
「……大丈夫かね」
「生きてるって信じてますから」
ロザリーは膝の上で拳をギュッと握ったまま、言葉少なに告げる。その手は震えていたが、伯爵は見ないことにしてほほ笑んだ。
「そうだな。私も信じている。才気あふれる若者が、こんなことで命を落とすなんてことあるわけがない」
城に戻ると、すぐさまカイラの部屋に向かう。
伝令は正しく伝わっていて、部屋の中にはすでにナサニエルもいた。
「陛下。アイザック殿は……」
「報告では行方不明ということだ。ただ不審な点が幾つかある。襲った男たちの装備がやたら上等だったのだそうだ」
山賊であれば、武器は旅人から奪い取った弓やナイフや、木こりが使う斧などが主流のはずだが、襲ってきた男たちは、揃いの片手剣を使用していたのだという。身なりは貧しく、体も薄汚れてはいたが、髪は綺麗に整えられていた、など、どこかあべこべな印象だったというのだ。
「報告をよこした男はずいぶん観察眼があるんですな」
「……これでも、慣れない領地経営でアイザックが困らないくらいには精鋭を準備したんだ、私は」
ナサニエルが不貞腐れたように言うその姿に、イートン伯爵は緊迫した状況であるにもかからわず、笑ってしまう。
「陛下は以前よりお気持ちを言葉にされるようになったのですね」
「私だって反省くらいするんだ。口下手のせいで、うまくいくものもうまくいかないからな」
ちらり、とカイラを見つめて言うナサニエルは、カイラと仲直りをするときは相当苦労したのだろう。