王妃様の毒見係でしたが、王太子妃になっちゃいました
「コホン。さて、もちろん王城からも出しておられるとは思いますが、私の方でも捜索の手配をしました。あのアイザック殿がそんなに簡単にやられるはずもありません。本人が見つかってない以上、逃げ切っている可能性が高い。信じて待ちましょう」
ナサニエルとイートン伯爵は、頷きあう。
そんな風に理性で感情を押さえられないのが、カイラとロザリーだ。
「私も探しに行ってはいけませんか?」
「ロザリー嬢、今君にまで何かあったら、私の手には負えなくなるよ。クリス嬢も不安になるだろうし、君にはカイラ様を支えてもらわなければならない」
伯爵の言うことはもっともだ。けれど、何の役にも立てない自分が悲しく、辛い。
「……一緒に行けばよかったです。私だけ、こんな安全なところで守られているなんて」
カイラが、ロザリーの肩を抱く。その手の熱を感じるほどに、悔しさが胸に込み上げる。
(慰められてばかりで、何の役にも立っていない)
「……私、自分が情けないです」
泣き言はみんなを困らせるだけだと分かっているのに、止められない。
子供な自分が悲しくて、やりきれなかった。