恋を知らない花~初恋~
そこからは勢いでなんとか乗り切ったけど、2件目には行けそうもなくあとは青木君に任せて帰ることにした。

みんなに挨拶をし、ふらふらと駅まで歩き始めたが思ったより酔っていてうまく歩けていなかった。
本当に寝不足でお酒なんて飲むものではない。
タクシーに乗るか、駅の近くのビジホに泊まるか…

タクシーに乗ってもし吐いてしまったら…
でもビジホに泊まると明日がめんどくさい。

どうしようか迷いながら歩道横の座れそうな花壇を見つけて座り込む。
こんな醜態、誰にも見られたくないなぁ。
なんて思っていたら私を心配して後を追ってきてくれたのか真中さんが駆け寄ってきた。

「川井さん、大丈夫ですか?や、やっぱり追ってきてよかったです。だいぶ飲まれていたので。城戸課長はザルなので同じペースで飲まれていた川井さんが心配だったんですよ。」

それでも追ってこなくて良かったのに…
正直かなりお酒が回っている自覚があり、営業としてきちんとした対応ができる自信もない。

「フフフッ、見つかっちゃいましたね。恥ずかしいからばれないようにしていたのにぃ。真中さんは私なんて放っておいて皆さんと次に行かれてください。」

相手が真中さんということもあり、頑張っても営業スマイルができずに頬がゆるむ。
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