恋を知らない花~初恋~
8
翌朝、拓也の腕の中で目が覚めた。
そろっと抜け出すと昨夜脱いだ洋服を拾う。
そのままコーヒーメーカーをセットするとシャワーを浴びにバスルームへ行った。

シャワーを浴びだしてすぐにバスルームのドアが開いた音がしてびっくりして振り返ろうとすると後ろからぎゅっと抱きしめられた。

「ひゃぁっ!」

思わず悲鳴を上げた。

「クククッ、俺だよ。おはよっ。」

「びっ、びっくりしたもん。おはよ。」

拓也がいつもの拓也じゃなく、甘い…
昨日も今までとは全然違った。
何だか気恥ずかしくて戸惑う…

「あ~、気持ちいい。こうやって朝一緒にシャワー浴びるの初めてだな。」

「う、うん…」

肌と肌が触れ合うのも、心地よい温度のシャワーも気持ちがいい。

「なに?照れてんの?可愛いな。」

うつむき気味だった私の耳元で囁く。
何だろ?こんな感じじゃなかったのに。

「なっ、なによ…」

拓也の胸を押して離れようとするけどお腹に回された腕はびくともせず離れない。

「ククッ、面白いな、体洗ってやろうか?」

「もうっ、なんなの?からかわないでよっ。」

「フッ、本当に可愛いな。好きだよ、結衣。お前は綺麗だよ。そりゃセフレがいて特定の恋人がいないけど好きな人が出来なかっただけだし、心が汚れてる訳じゃない。大丈夫、お前は可愛くて綺麗だよ。」
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