年上同期の独占愛~ずっと側に
橋本さんの家までタクシーに乗ると10分かからず着いてしまう。引越ししたばかりのマンションは割と新し目できれいだし、会社も近いし本当に羨ましい。

コンビニ前でタクシーを止めて水やお茶などを買い込んでから橋本さんの部屋へお邪魔する。

お邪魔します、と部屋に入り、ソファに座り部屋を見渡すと、2週間前よりだいぶ片付いている。

「とりあえず、お水飲んで。今コーヒー淹れるから」

「橋本さん、ほんとにお酒強いね。羨ましい」

「まあね。でも今日は結構酔った。
緒方さんが異動するのを寂しそうにしている野崎さん見てたら、つい飲みすぎた。」

「ん?ふふ。どういうこと?」

「ふっ。お前だいぶ酔ってるな。顔つきが全然違う。」

「そう?まだ少しフワフワするけど、もう少し休ませてもらったら帰れると思う。」

「明日休みだし、泊まってけよ。」

「ふふ。またそれ?大丈夫。帰れるよ。」

「明日の朝送ってくから。寝てけばいいよ。スウェットくらい貸すから」

「本当に大丈夫だって。」

「俺さ、ここしばらく彼女いないんだよね。」

私が座っているソファの隣に座りながら唐突に言ってきた。

ん?なんだ急に。え??彼女いない?山元さんはどうしたんだろう。
何となく感じてはいたが、やっぱり別れてたのか・・・。
そんなことも気づかず、山元さんや橋本さんに無神経なことを言ったりしてなかっただろうか・・。急に不安になってきた。

「そ、そうなんですね。ごめんなさい、私てっきり・・・」

「やっぱり何か誤解してたんな。山元さんと付き合ってると思ってた?」

「・・・はい・・・。ごめんなさい。いつ別れたんですか?」

「別れてないよ。そもそも付き合ってない。」

「え??何で?付き合ってないんですか?」

「何でも何も、付き合ってないよ最初から。ただの同僚。
誰かがそんなこと言ってたの?」

「随分前ですけど・・私が同期会で早めに失礼した時の懇親会の後、偶然見かけたんです。寄り添ってて雰囲気がよかってのでてっきり・・・」

「どうりで。何かあるとすぐ山元さんの名前だしてたもんな。」

橋本さんが目を細めて私を見つめると、手を伸ばして私の髪の毛をすくいながらもう一度言った。

「今日、泊まってけよ。明日送るから」

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