年上同期の独占愛~ずっと側に
「ふふ。持つべきものは頼れる後輩だね。」

「はい。・・・あの、原さん・・
 後輩もそうですけど、原さんにはすっかり頼ってしまって、甘えてしまって、ありがとうございました。頼れる先輩が近くにいて、私は本当に恵まれています。」

原さんは、ちらっと私のほうをみて、ニコっと笑い、「うん。」と短く言った。

「仕事は、仕事だけはちゃんとやろう、と思っていたのに、自分があんな風になってしまうなんて、情けないやら悲しいやらもう自分でもどうしたらいいのかわからないときに、原さんに声かけてもらって・・・。大げさではなく、立ち直れたのは原さんや吉村さんのおかげです。本当にありがとうございました。」

「少しは落ち着いた?」

「はい、だいぶ落ち着きました。少なくとも気持ちの整理はちゃんとできているので、もう大丈夫です」

「うん、よかった。付き合いが長かったみたいだし、今は平気でもまたつらくなる時がくるかもしれないから。そしたら遠慮せずすぐ言って。力になれることならするから」

あの一件以来、原さんと話をちゃんとしていなかったのできちんとお礼をしたかった。そして今回私のプライベートで煩わせた分を仕事で恩返しできる日がくるように、今まで以上に精進すると伝えたかった。まだまだ原さんや吉村さんの足元にも及ばないが、頑張らねば。そして人柄も・・・緒方マネージャーにまで声をかけてもらったのは、吉村さんと原さんの絶妙なフォローがあったからに違いない。仕事にプライベートを持ち込むな、と一喝されてもおかしくないのに、よほどうまく伝えてくれたのだろう。本当に感謝しかない。
まさか自分の身勝手な恋愛のせいで、ここまで気を使ってもらえるなんて思ってもいなかった。

同じプロジェクト内の懇親会なので、参加者たちが束で移動してくるため、入り口が急に騒がしくなった。
原さんと手分けして、部屋の中に誘導していると、ほとんどの方が、お疲れ様、ご苦労様、今日はありがとね、など声をかけてくれる。一番下っ端なので、本来はもっと早く色々手を回さなくてはいけなかったのに、そう言ってもらえると救われる。
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