年上同期の独占愛~ずっと側に
50代前半くらいだろうか。確かお子さんがふたりくらいいらっしゃるけど、もう就職もして手が離れちゃった、と少し前に聞いたことがある。見た目はおしとやかなおば様なのだが、話してみるとチャキチャキしていて面倒見がよい。しかし、今日は幹事だしそういうわけにいかない。

「ありがとうございます。だけど、今日は大丈夫です。ただ、もう少ししたら各担当のいつもお世話になっている方にご挨拶に行きたいのでその時は藤崎さんに声かけてもいいですか?」

「もちろん、遠慮なく声かけてね」

懇親会は気も使うし煩わしいことも多いため、参加してもらえるだけでもありがたいのに、こうして気を使ってくれて本当に素敵な人だ。
そんな話をしていたら、橋本さんがやってきて、

「藤崎さん、すみません。後は僕がやりますから。」

「あら、大丈夫?」

「はい。野崎さん、ごめんね、押し付けちゃって。奥行って少し食べて」

「ふふ。橋本さんには頼みづらくて、若い子たちは少しは自分で動くんじゃない?野崎さん、行きましょ」

「じゃあ、橋本さんすみません、ちょっと行ってきますね」

藤崎さんに連れられて奥に行くと総務部長と他総務の方が固まって座っていたので早速挨拶をする。5分ほど話していると、藤崎さんが声をかけてくれた。

「野崎ちゃん、あっち行きましょう」

今度は商品開発部門のメンバがかたまっている場所へ一緒に移動する。その後もずっと藤崎さんが一緒に動いてくれて、とてもスムーズに挨拶することができた。さすが場慣れしているだけあるな、と感動してしまった。

「野崎ちゃん、お疲れ様。色々ありがとね」

なぜか藤崎さんにお礼を言われて戸惑いながら

「とんでもないです。声かけてくださってありががとうございます。」

「いいえ。今日の懇親会だって、本当はウチの部で仕切らなきゃいけなかったのに、その話していたときたまたま原さんが旅費の精算のことで質問にきてて、うちで引き受けますよ、って言ってくれて。そしたらさっきね、野崎さんは幹事やったことないって言ってたから全部俺に聞いてくると思ってたのに、自分で調べて全部やって、今日も一人で大丈夫だからって頑張ってるって言ってたの。吉村さんたちも、野崎さんは勘がいいし、勢いがあるから仕事の回しも早いって感心してたわよ。」

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