年上同期の独占愛~ずっと側に
散々心配と迷惑をかけたのに、そんな風に言ってくれるなんて。いつも自分なりに整理しながら資料作成をするが、細かいところまで行き届かず、修正が多いほうだ。勢いも雑であることの裏返しだろう。勘が良ければ亮の浮気ももう少し早く気付くことができたのに。

解散の時間になり、二次会に行く人も多く、みんな割と早く席を立ってくれる。女性がほとんどいないプロジェクトのため、藤崎さんの存在は本当にありがたい。
会計も終わり、藤崎さんはもう帰るね、と駅まで行くとのことだったので、私も一緒に、というと、せっかくだから二次会に行ってらっしゃい、と先に帰ってしまった。

そうは言っても、今日はすっかり疲れてしまい、帰ることにしようと思っていると橋本さんに声をかけられる。

「野崎さん、お疲れ様。二次会は?」

「ごめんなさい。今日はもう帰りますね。色々手伝ってくれてありがとうございました。」

「いや、こっちこそ任せっきりでごめん。原さんから言われてたんだ。野崎さんに幹事お願いしたから一緒に頼むって。俺、野崎さんから声かかるの待ってて・・・そしたら全部野崎さんが手配してるって聞いてさ。
原さんにも俺言ったよな、野崎さんに全部押し付けて何やってたんだよ、って怒られて。ごめんなさい。」

そうだんたったんだ。弘美がお店探してくれたので、事前準備は楽だった。しかし、今日一人で40人規模の料理やお酒を管理するのはさすがに忙しかった。でも途中変わってくれたし、藤崎さんも助けてくれた。

「いいえ。今日は助かりました。ありがとうございました。じゃあ、帰りますね。」

すると、じゃあ、俺も帰るから駅まで一緒に、と、二人で帰ることにする。

駅に向かっている途中、数人の男性の集団の中に見慣れた背中が歩いているのに気づく。ちらりと横を向いたときの顔を確認すると、間違えなく亮だ。亮も職場かベンダさんとの飲み会の帰りだろう。かなり酔っぱらってしまっている人もいるように見える。

亮が私に気づかないうちに、電車にのってしまおう。

「橋本さん、今日は本当にありがとうございました。コンビニ寄っていきますので、ここで失礼します」

「ああ、・・・じゃあ、今日はお疲れ様でした。気を付けて。」

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