年上同期の独占愛~ずっと側に
小野君からまた着信があったが、やはり話す気にはなれない。あとで、林君と会って話したことをメールで伝えよう。一昨日の小野君の発言は酔っていたときのことだし、ちゃんと謝ってくれたのだから、あまりこだわるのは辞めようかな、とようやく思えるようになった。

月曜日・・・
混雑エレベータを待ちながら、週末、色んなことがありすぎて、休んだ気がしない。身体のダルさも取れず気が重い。
後ろから、トン、と肩をたたかれ、振り向くと橋本さんが立っていた。

「おはようございます」

「おはよう。金曜日はお疲れ様」

金曜日・・・そうだ、懇親会だった。橋本さんと、山元さんが仲良く歩いているところを目撃したんだった。何だか遠い昔のことのようだ。

「金曜日は、ありがとうございました。先に失礼させてもらってしまって、すみませんでした」

「いや、あの後結構すぐにお開きになったから。同期会だったんだよね?」

あの後すぐお開きになった割には山元さんと歩いていたのは、もっと遅い時間だった。二人で飲みなおしていたんだろう。

「はい、あの、今日の会議は私出席しないんですけど、何かありますか?」

同期会のことを聞かれるのが嫌で、話をそらせた。

「いや、資料だけ後で事前に確認させてもらえれば大丈夫」

そんな話をしていると、やっとエレベータに乗れた。そして混んでる。橋本さんが私の後ろに立っているけど、意外に背が高いな。そういえば、山元さんも私と同じくらいの身長だが、金曜日に並んで歩いていたとき、橋本さんはだいぶ大きく見えた。

「じゃあ、後で資料メールしますね」

「うん。お願いします。」

挨拶して歩き出そうとすると、「あ、野崎さん」と橋本さんに呼び止められた。足を止めて振り向くと

「今日のお昼一緒にどうですか?」

「あー、この前行けなかったですもんね。あとで原さんに聞いておきます」

そう返事をすると、ちょうど原さんが通りかかった。

「あ、原さん、おはようございます。今日のお昼なんですけど、橋本さんが一緒にどうですか?って。」

「お昼か・・。僕は緒方さんとちょっと合わせたい案件あるから、野崎さん行ってきて」

原さんが行けないのであればあまり意味がないので、別日にしてもらおうかと思ったのだが、橋本さんが、じゃ、後で、と言って、スタスタと歩るいて行ってしまった。

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