"さよなら"には早すぎて、"はじめまして"には遅すぎる

知らないなりに、向日葵の形や色を考えてそれっぽい言葉を考える。

太陽みたいな形。
茶色、オレンジ、黄色。

連想される言葉は一つだった。


「元気?」

「残念」

即答で否定された。


「さて、そろそろご飯作ろうかな」

「え!答えは教えてくれないんですか?」

「今日はカレーだよ〜」

「違いますよ!向日葵の花言葉の話です!」


チラッと俺を見やり、それからニコリと笑って言った。

「内緒」と。

眩しいくらいに可愛らしい笑みなのにとんでもなく意地悪だ。

この人本当に三十歳なのだろうか。

見た目は若々しく同い年でもおかしくない。時々中身も同い年くらいなんじゃないかと思わされる。

年の差を感じさせない。

現に、年齢を聞くまでは同い年くらいだと思っていたけど俺よりずっと大人だった。

琴音という人物はふわふわと漂う雲のように真っ白で掴めない。


同年代なんじゃないかと思わせるような時もあれば、おおよその同年代の学生じゃできない表情をする。

普段は天真爛漫に笑う彼女が、時折酷く傷ついていることを隠すように無理をして笑っている気がするんだ。



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