美術室のユーレイ



「ついてきて」


そう言うとドアをすり抜けて行った。


「わ!ま、まって」


ユーレイだからとはいえ目の前でドアをすり抜けられるとやっぱりびっくりする。



ユーレイとは違い、手でドアを開け、中に入ると、古臭い匂いが部屋全体に広がっていた。


年に数回しか開けられないから、ホコリもある。



空気…悪そう…。


でもユーレイがいる部屋の割にはいたって普通な感じ。


「ここがなに?」


私がそう言うとユーレイは床を指さした。


「これだ」



そこには半径1メートルほどの大きさの金色に輝く丸い円が浮かび上がっている。


訂正、全然普通な部屋じゃない。



「わあ!すごい!なにこれ?」


「魔法陣。見たことないか?」



魔法陣?



「ある…かも?」


異世界系の漫画の世界とかで見たことあったような。


たしかそこに乗るとタイムスリップできる、みたいな感じだった気がする。


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