美術室のユーレイ




私と叶多くんは…消える。



この世界に初めから存在しないものになる。





ここは…その世界なの?



改めて見直しても距離感さえ掴めない。



消えた人が来る世界…なんて、言い方おかしいけど。






私だけならまだ耐えられたけど…



叶多くんまで巻き込んでしまった。







「ごめんなさい…」



届くことのない言葉をつぶやく。



謝っても謝りきれない。



絶対に許されない。





私は叶多くんのなんの力にもなれなかったよ…。







最後の涙が床に落ちた。


















その時



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