もう一度だけ、キミに逢いたい。

……が、しかし。

私の予想は大きく外れていた。


だって、目の前にはベッドの上に座って少し驚いたようにこっちの方を見るゆりちゃんがいたのだから……




「ひ、かるちゃん……?」


ゆりちゃんから弱々しく発せられた私の名前にハッと我に返る。




「ゆりちゃんっ……!!」


私はゆりちゃんに駆け寄り、そのままギュッと力強く抱きしめた。


ゆりちゃんが目を覚ましてくれたという安堵からか、意図せずに次々と涙が溢れ出してくる。


結局、泣きすぎてティッシュの山が積み上がってしまった。


本当、こんなに大泣きしたのは久しぶりだ。




……けれど、そのわずか数分後。


立場は見事残酷なまでに見事に逆転することになる……───


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