もう一度だけ、キミに逢いたい。

なんだか未だに7年経ってしまったことへの現実味がなくて、疾風さんだと名乗るお医者さんの顔をじっと見つめてしまう。




気のせいかもしれないけど、わたしの記憶の中の疾風さんとかなり違うような…


というか、元々大人っぽかったけど、それがさらに増している気がする……




「その顔……やっぱりびっくりした?実はね、見て分かると思うけど、僕は今この病院で医者として働いてるんだ」


そう言って疾風さん?は、名前と顔写真がプリントされている名札を見せてくれた。


そこには間違いなく“東條 疾風”の文字が。




「それで、一応ゆりちゃんの主治医です」




…え。

疾風さんが、わたしの主治医……?


前に…12年前?に入院していた時の主治医は、結構ベテランの先生だったから、今回もてっきりベテランの先生なんだろうなって勝手に想像していた。


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