もう一度だけ、キミに逢いたい。
それにしても、わたしみたいな重症?の患者さんを任せられるなんて、医者としてかなり優秀なんだろうな…
わたしが心の中でそう感心していた時。
少し遅れて伊織くんと数名のスタッフがバタバタと病室に入ってきた。
そこで改めてこれまでのことを聞かされた。
7年前のあの日車にはねられたわたしは、近くを通っていた人が救急車を呼んでくれて、病院に救急搬送された。
出血の量が多くて一時はどうなることかと思われたが、手術は奇跡的に成功。
ただし、手術が成功しただけでも運がよくわたしは7年も眠り続けた、と。
さらに言わせれば、眠る期間が長くなれば長くなるほど目覚める可能性は低くなっていくらしかった。
だから、正直このままずっと眠り続けるんじゃないかって病院側はそう思っていたらしい。
まあ僕は、ゆりちゃんならいつか絶対に目覚めるって信じてたけどね、なんて少し笑みを溢す疾風さんとその横でうんうんと頷いていた伊織くん。