もう一度だけ、キミに逢いたい。
何の根拠もなくて、時が経てば経つほどどんどんと低くなる可能性を信じ続ける。
それがどんなに難しいのか。
どれほどのメンタルが必要なのか。
経験したことはなくても容易に想像ができて、わたしは思わず泣きそうになった。
それと同時に、信じて待ち続けてくれた人がいることがどれほど幸せなことなのかを実感した。
───それからもとにかく慌ただしかった。
まだ目が覚めたばかりだというのに、入れ替わり立ち代わりで色々な人が病室へ訪ねて来てくれた。
光ちゃんはもちろん、あの頃のクイズ研究会の面々、わたしが通っていた希望が丘の理事長、そして保健室の清田先生までもが来てくれた。
やっぱり7年も経っているから、少なからずみんなあの頃とは変わっていて、光ちゃん以外はすぐに分からなかった。