もう一度だけ、キミに逢いたい。

光ちゃんは病室に入ってきてわたしを一目見るなり、その場で号泣。


わたしもわたしで、光ちゃんに逢えたことが嬉しくて、ボロボロと涙が溢れてきて布団に小さな水たまりができてしまったくらい。


それと同時に、やっぱりこんなにも心配をかけていたんだ、という思いも。




目覚めた初日ということもあって短い時間しか話せなかったけれど、この7年の間のことを光ちゃんは少しずつ教えてくれた。






───夜。


暗くなった病室のベッドの上に横になったわたしは、光ちゃんとの会話を思い出していた。




………………


………………




『……光ちゃん。わたしね、自分の想い、ちゃんと伊織くんに伝えられたよ』


『えっ……伝えられたって…好き、って……?』


『うん』


かなり驚いている光ちゃんの瞳を真っ直ぐ見つめて、わたしは躊躇いもなく首を縦に振る。

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