もう一度だけ、キミに逢いたい。
「……ゆりちゃん。着いたよ、このお店」
「え……ここ?」
まだ学校を出て15分も経ってないくらい。
「そう。ここ、うちの大学からも近くて安くて美味しくて人気らしいよ?」
「へー……」
そう言えば、光ちゃんの大学はわたしの学校と近いもんね。
わたしなんかその理由で今の高校選んだようなもんだし…
「…ゆりちゃん。…おいで?」
「……ん」
わたしは素直に光ちゃんの手をギュッと握り、ピタッと背後にくっつく。
お店の人やお客さん達に変な目で見られたけど、気にしない気にしない。
…本音を言えばちょっと気持ち悪いんだけど。
「あ、光先輩来たー!」
「おかえり、結構早かったね」
「そうですか?あ、皆さんにご紹介します。私の後ろにくっついてるのが妹のゆりちゃんです。わけあって私の傍を離れないと思いますが、よろしくお願いします」