16歳、きみと一生に一度の恋をする。
「な、なんで急に……」
「べつに急ってわけでもないんだ。授業もテストも中途半端にしかやってなかったし、たぶん進級も難しいだろうから」
「わ、私、勉強なら教えられるよ! 三学期に挽回していけば進級だってできるよ!」
辞めてほしくなくて、必死で止めていた。すると、晃がじっと顔を見つめてくる。
「悪い。今も中途半端な言い方だった。勉強とか進級とかそれも大事だけど、学校を辞める理由は他にある」
「……他?」
「俺、中枢神経系の病気なんだ」
その告白に、頭がぐらっと揺れた。
なんとなく彼がなにかを隠しているような気はしていたけれど、病気だったなんてまったく予想していなかったから。
「……それって、どんな病気なの?」
「身体が思うように動かなくなって、再発を寛解を繰り返していく病気。予後予測はできないから症状が出てみないとわからない。俺は今のところ手足の症状がひどくて、力が入らなかったり、感覚がなくなったりする」
……そう言えばスマホを落としていたり、急によろけている時があった。
もしかしたら、それも病気が原因だったのかな。
全然、なんにも知らなかった。
あんなに一緒にいたのに……気づけなかったことが心苦しくてたまらない。
「そんな顔しなくていいんだよ。俺が気づかせないようにしてたんだから」
まるで私の心を読んだみたいに、晃が頭をぽんぽんと撫でてくれた。