16歳、きみと一生に一度の恋をする。


『お前、今井汐里だろ』

出逢いは、あの誰もいない教室。

『これ、絆創膏がわり』

喧嘩して自分は平気で顔に傷を作ってくるのに、私の傷を優しさで塞いでくれた。

『怖かっただろ。汐里がなんにもされなくてよかった』

関わらないでってひどいことを言っても、私のことを守ってくれた。

『お前って、そういう顔で笑うんだな』

そう言って、私のことを見つめていた顔は、私以上に嬉しそうだった。

『汐里、俺はさ、お前に世界で一番幸せになってほしいんだよ』

私も、晃に世界で一番幸せになってほしい。 

きみは怒る場所をくれた。

泣く場所をくれた。

笑う場所をくれた。

なんできみだった?

なんできみじゃなきゃ、ダメだった?

だってね、きみにしか動かない気持ちがこんなにたくさんあるよ。

誰といてもできなかったことが、晃とならできる。

それがずっと探していた、私の答えだ。

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