転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「ていうか、大事なのはこれからどうするかよ。やっと別邸から出れて、民衆の支持も得たんだから、王位を引き継ぐための勉強でもしたらどう? ほら、ちょうど隣に王妃教育をばっちり終えたお相手様もいることだし」
「なっ! ドリスさん、急になにを言い出すんですか!」

 あんなに感動ムードに包まれていたのに、ぶち壊しだ。

「せっかくあんたたちが事件解決して、〝自由〟を勝ち取ったのに、これ以上しみったれるのもよくないでしょ? ねぇフィデル。これからどうする気?」

 あ……そういえば、そういう約束してたんだった。
 確かに、フィデルはこれからどうしたいんだろう。

「――フィデル。お前がもしやりたいことがあるなら、なんでもすればいい。もうなにもお前を制限するものはない」

 陛下は力なく立ち上がると、フィデルに言った。

「エリオットに王位を継がせることはない。エリオットとロレッタがしたことは、王として許すわけにはいかん。ふたりには国外にある別邸で、幽閉生活を送ってもらう」
「父様……僕をフィデルと同じ目に遭わせる気か!」
「あら。陛下はお優しいじゃない。だって愛し合うふたりでずっと一緒にいられるのよ? 誰にもバカップルぶりを見せつけられなくて退屈だろうから、私がたまにのぞき見してあげるわね」
「さ、最悪よっ! 幽閉された上にシエラに見られてると思ったら……もう嫌ぁ~!」

 親指と人差し指で自分の目を開きながらそう言うと、ついにロレッタは泣きべそをかいてしまった。
 陛下に処分を言い渡されたことにより、もう逃れる術がないことを悟ったのか、エリオットは意気消沈して膝をつく。

「こんなことをした家族も、国も、フィデルは許さなくて当然だ。無理に王位を継がせる気はない。だが、もしお前が継ぐ気があるのなら、私はすぐにでもお前に受け渡していいと思っている」
 陛下は言い終えると、深々とフィデルに頭を下げる。

 今更遅い! と頭をひっ叩いてやりたくなったが、陛下エリオットの嘘に踊らされたうちのひとりだと思うと、振りかぶる手をなんとか抑えることができた。
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