転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
「ニールさんは優しいんですね」
「本当のことを言っているだけです。あと、〝さん〟はいらないですよ。ニールと呼んでください。敬語も不要です」
にこりと穏やかな笑みを浮かべるニール。なんだろう。ニールと話しているとすっごく癒し効果があるような。
それにしても、いい人そうでよかった。この人になら、頼み事もしやすそうだ。
「ニール。あの、こんなこと突然言ってびっくりすると思うんだけど」
「はい。なんでしょう?」
「私、フィデル様に会いたいの。ドリスさんに、ニールに頼めばいいって聞いて……。協力してもらえないかな?」
「フィデル様に……。やはりそうでしたか。私を呼ぶ理由が、フィデル様関係以外なんてことはありえませんからね」
「ニールは、フィデル様の専属執事なのよね?」
「ええそうです。私自身が幼いころから、ずっとフィデル様にお仕えしてきました。それだけが、私が城にいる理由ですから」
ニールはまた笑みを見せるが、その笑顔はさっきと違い、少し寂しそうにも見えた。
「シエラ様は、フィデル様の現状を知っていますか?」
「……別邸で生活しているってこと。私がわかるのはそれだけ」
「別邸にいることを知っていたのですか? エリオット様に聞いた、ということでしょうか」
「違う。自分で居場所を突き止めたの。でも、あの別邸には厳重な鍵がかかってて入れなかった」
「……自分、というところが気になりますが、今はいったん置いておきましょう。そうですね。あの別邸に入れるのは、この鍵を持たされている私だけですから」
ニールはそう言うと、ポケットからじゃらり、と音を鳴らし、丸い輪っかにかかったいくつもの鍵を顔の前にかざした。
「本当のことを言っているだけです。あと、〝さん〟はいらないですよ。ニールと呼んでください。敬語も不要です」
にこりと穏やかな笑みを浮かべるニール。なんだろう。ニールと話しているとすっごく癒し効果があるような。
それにしても、いい人そうでよかった。この人になら、頼み事もしやすそうだ。
「ニール。あの、こんなこと突然言ってびっくりすると思うんだけど」
「はい。なんでしょう?」
「私、フィデル様に会いたいの。ドリスさんに、ニールに頼めばいいって聞いて……。協力してもらえないかな?」
「フィデル様に……。やはりそうでしたか。私を呼ぶ理由が、フィデル様関係以外なんてことはありえませんからね」
「ニールは、フィデル様の専属執事なのよね?」
「ええそうです。私自身が幼いころから、ずっとフィデル様にお仕えしてきました。それだけが、私が城にいる理由ですから」
ニールはまた笑みを見せるが、その笑顔はさっきと違い、少し寂しそうにも見えた。
「シエラ様は、フィデル様の現状を知っていますか?」
「……別邸で生活しているってこと。私がわかるのはそれだけ」
「別邸にいることを知っていたのですか? エリオット様に聞いた、ということでしょうか」
「違う。自分で居場所を突き止めたの。でも、あの別邸には厳重な鍵がかかってて入れなかった」
「……自分、というところが気になりますが、今はいったん置いておきましょう。そうですね。あの別邸に入れるのは、この鍵を持たされている私だけですから」
ニールはそう言うと、ポケットからじゃらり、と音を鳴らし、丸い輪っかにかかったいくつもの鍵を顔の前にかざした。