人格矯正メロディ
☆☆☆

翌日学校へ行くと真っ先にコトハに昨日の出来事を話して聞かせた。


「そっか、夢を応援してくれるんだね」


「うん! お父さんはいくらでもお金を出してくれるって言うし、これなら海外留学も夢じゃないよ!」


あたしの未来は一気に明るいものに開けた気がした。


すべてがキラキラと輝いて見えるのは、このアプリのお蔭だった。


「それなら、もうアプリを消しても問題ないんじゃないかな?」


「え?」


あたしはコトハの言葉に驚いて目を見開いた。


今、コトハはなんて言ったんだろう?


「だって、学校も彼氏も夢も、全部順調なんでしょう? それならもうアプリはいらないよね?」


「なに言ってるの? これから先なにが起こるかわからないんだから、持っておくに決まってんじゃん!」


「でも、副作用が出たらどうするの?」


まだそんなことを言っているんだ……。


あたしは呆れてコトハを見つめた。
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