人格矯正メロディ
なにも言わず遠ざかっていく田村の背中。


その背中を呆然として見つめていると、影から様子を伺っていたコトハがすぐに飛んできた。


「すごい、目の前に星羅がいるのになにも言わずに行っちゃったよ!」


コトハは興奮気味にそう言い、飛び跳ねて喜んでいる。


確かに珍しい。


でも本当にアプリの効果なのかどうか気がかりだった。


田村はあたしの言葉を聞いてショックで何も言えなくなっただけじゃないだろうか?


あたしは半信半疑で首を傾げる。


「これだけじゃ判断できないよ」


「そう?」


コトハにとっては十分な検証に見えたようだ。


「それならもっと他の子にも使ってみようよ!」


コトハは目を輝かせて言った。


「他の子って言われても……」


田村のように気味の悪い生徒がそういるわけじゃない。
< 40 / 202 >

この作品をシェア

pagetop