エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました

店に着くとすでに洋介さんがカウンター席に座っていた。

「課長、連れてきましたよ」

「面倒なことを頼んですまなかった。こうでもしないと彼女とまともに話せないから」

だがこずえは首を横にふった。

「何言ってるんですか。私はいつでも二人味方ですから。それと例の写真の件ですが……」

え?写真?

「何かわかったか」

「大変でしたよ。でもB Aや本社の知り合いにいろいろ聞いたらわかりました」

課長とこずえが何を言っているのがわからない。

なんのこと?

「泉の悩みの元。例の写真をあんたの彼氏に送りつけた犯人がわかったのよ」

そこまでわかってるの?

こずえはスマホを取り出し画像を洋介さんに見せた。

「受付の小林さん。ご存知ですよね」

洋介さんは顔を曇らせた。

「彼女、2年前まで泉の婚約者と付き合ってたそうなんです」

「え?」

私との縁談がくる前のことだからわからないけど……。

まさかうちの社員と関係を持っていたなんて。

「俺が彼女をふったからかもしれない」

話を聞けば小林さんと言う女性はかなり前から洋介さんに付き纏い、何度も何度も告白していたらしい。

だがその気のない洋介さんは断り続けていたと言うのだ。

「でもどうするんですか? 何か手立てはあるんですか?」

心配するこずえに洋介さんは「なんとかする」とだけ答えた。

「わかりました。じゃあ泉のことよろしくお願いします」

こずえが帰ろうとする。

「え?こずえ帰っちゃうの?」

「当たり前じゃない。それより泉はさっき私に話したことを課長本人にちゃんと話しなさいよ」

あれは本人がいないから言えたことで本人を目の前にして言えるわけがない。
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