エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
だがバーでの泉は全く幸せではなかった。

婚約者の裏切り。それでも自分は会社のために結婚をするという今時珍しい女性だと思った。

だが彼女の口からその婚約者の名前を聞き俺は自分の耳を疑った。

しかももっと驚いたのは泉がウォルカの社長、谷崎氏の娘だったことだった。

兄貴の彗とは友人だった。

妹がいることは知っていたが一度もあったことがなかった。

彗は「俺の妹と結婚したら俺が洋介の義理の兄貴になるんだけどな〜」なんて冗談を言っていたが、その妹が自分の部下で毎日顔を合わせていたことにどれだけ驚いたか。

だが神様が俺の味方になってくれた。


泉が悪酔いしてしまい、仕方なく近くのホテルに泊まった。

トイレで派手に吐いた彼女はずいぶん酔っ払って暑い暑いと言って服を脱ぎ出した。

あまりの変わりように驚いたが、泉はそのままベッドに入ると同時に眠ってしまった。

俺はただただ呆然と見ることしかできなかった。

シャワーを浴びるとビールを持って窓際の椅子に腰掛けた。

泉は寝息を立てて眠っていた。

勝手に服を脱いだかと思えば一人で寝やがって。

これじゃあ蛇の生殺しじゃないか。

だけど、彼女の婚約者が鴨居となるとかなり厄介なことになった。

さてどうやって二人を引き裂こうか……。

そう思っていたときだった。
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