エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
電話を切るとどっと疲れが襲い掛かった。

だがそれは明久さんだけのせいではない。

「課長、耳元で囁かないでください」

囁かれた方の耳を塞ぐ。

「ああでも言わなきゃお前、行ってたんじゃないの?愛人との会話を聞いた後に普通でいられるのか?」

普通になんてできない。

っていうかそれよりもいつまでもこんなみだらな格好してられない。

さっさと着替えて家に帰らないと。

私は掛け布団を身に纏うようにしてベッドからおりようとした。

だけどそれを阻止するかのように課長が掛け布団の上に座った。

しかもその姿は辛うじてパンツは履いているもののほぼ裸。

男性の裸なんて小さい時に兄と一緒にお風呂を入った程度。

課長の体は私の知る男の子の体とは全く別物で目のやり場に困る。

「課長、私着替えたいのでどいてもらえますか?」

「……いやだといったら?」

意地悪な目つきで口角をあげる課長の顔は会社では決して見せることのない表情だった。

「いやでもどいてください」

私は掛け布団を引っ張った。

「仕方ないな〜。その代わり一つ教えて欲しい」

「何でしょう」

「社長令嬢のお前にふさわしい男となるとそれなりの地位のある男だよな。俺の予想では関連企業の御曹司あたりが有力だと思うが」

何でわかっちゃうのよ。

「察しがいいですね。さすが中途入社でありながら異例の昇進で課長になっただけありますね。そうですよ。繊維商社の鴨居をご存知ですよね」

「ああもちろんだ。うちの取引先だからな」

「そこの長男である鴨居明久さんが私の結婚相手です」
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