エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
土曜日は明久さんが仕事で会えないので今日は一人ショッピングを楽しんでいた。

結婚したらこうやって自由に好きなものも買えなくなるかもしれない。

そう思うと今のうちに買っちゃおうかな〜と財布の紐も緩くなっていた。

本屋でお気に入りの作家の新刊を購入した後、デパートの化粧品売り場で前から気になっていた化粧水や美容液を購入。

その後コーヒーがおいしいと評判のホテル内のラウンジへと向かった。

スタッフに席まで案内してもらう途中でお客のほとんどがパンケーキを食べていた。

私もそれに便乗するようにコーヒーとパンケーキを注文した。

パンケーキが焼き上がるまでに時間がかかるというにで届くまでの間、さっき買った本を読もうとしたときだった。

「鴨居様いらっしゃいませ」

その聞き慣れた苗字に思わず顔をあげると、明久さんがやってきたのだ。

偶然ってあるものなのねと呑気に考え、私がいることを知ったら驚くかしらと口元を緩ませた。

そして手を振ろうと、肩の辺りまで手をあげたとき私の動きがピタリと止まる。

緩やかなロングヘアーの可愛らしい女性が明久さんの後ろにいたのだ。

仕事といっていたけど、女性の笑顔もフワフワした可愛らしいワンピースも持っている小ぶりなブランド物のバッグはどうみても仕事相手とは程遠いものだった。

私はあげていた手をそのまま下におろし、視線を下に向けた。

そして私の席を通り過ぎる二人の手を見て愕然とした。

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