エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「その荷物頂戴」

お弁当の入った布のバックを渡すと洋介さんがチラッと中をのぞいた。

そして嬉しそうに私を見て「もしかしてお弁当?」と尋ねる。

「うん」と答えると、洋介さんは嬉しそうにバッグを後部座席の下に置くと倒れない様に工夫してくれた。

助手席に乗りシートベルトを装着すると車はテーマパークに向けて走り出した。




テーマパークは土曜日ということもあり、多くの人で賑わっていた。

「泉」

「何?」

「実はこういうテーマパークに来るのは中学の修学旅行以来なんだ。だから回るルートは君に任せる」

「え?そうなの?」

意外だった。

こんなにイケメンでモテる洋介さんならテーマーパークデートはお手の物だと思っていたからだ。

でも来園回数で言えば私の方が断然多い。

「意外だった?」

「かなり意外」

洋介さんはニコッと笑うと私の手を握った。

お弁当を持っているためアトラクションは動きの派手な物を避けた。

そのせいかほとんど並ばずに済んだのだが、お昼ご飯を食べる前にもう一つだけ何かに乗ろうと並んだアトラクションが45分待ち。

だけどここでやめると午後はもっと並ぶ恐れがあったのでお弁当を持っている洋介さんには申し訳ないけど並ぶことにした。

途中私が持つと何度も言ったが拒否られる。

そんな中、私たちは多くの視線を浴びることとなる。

そのほとんどが私ではなく洋介さんだ。

でも納得できる。長身で超がつくイケメン。

長時間並んでいればこうなることは予想できていた。

わかっていたけどなんか面白くない。

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