泡沫の記憶
「おかえりー!」
「ただいま
アレ?なんか今日いい匂いするね」
「うん
カレー作った!」
「朱夏、カレーなんて作れんの?」
「市販のルウ入れれば
誰でもカレーの味になるよ!
…
京ちゃん、先にシャワーする?」
アレ?
「朱夏、今日ここに誰か来た?」
食べ終わったカップラーメンの容器が
ゴミ箱に2個あった
「うん、来たよ…
自動車学校で一緒になった人
初めて声掛けてくれたの
それで…」
カレーの匂いに混ざって
朱夏からほのかに香水の匂いがした
男物の香水?
「勝手に人入れるな
なんかあったら…」
「ごめんなさい…
今度から、外で会う」
「無闇に知らない人と会うのって
よくないと思うけど…」
「知らない人じゃないよ」
「だって車学で会っただけの人だろ」
「だけど、優しいし
悪い人なんかじゃないよ!
今度一緒に夏休みの課題やる約束したの
その人も理数系だから
教えてくれるって!」
「課題だったらオレが教えるし…」
「京ちゃん忙しいでしょ
土日はミクさん泊まりに来るし
またデートでしょ!
だから…」
「とにかく
なんかあってからじゃ遅いだろ!」
強く言ってしまった
なにオレ、ムキになってんだろ…
「なんかって何もないよ!
あったとしても京ちゃんには関係ない」
確かに関係ない
「…関係ないけど…
朱夏を預かってるから…」
関係ないけど
ホントは気になる
朱夏になんかあったら…
なんかって…なに?
「…わかったよ
ごめんなさい」
また朱夏をひとりにしてしまった