泡沫の記憶
美空が帰って
朱夏とふたりになった
「どれ?課題…」
「課題なんて、いいのに…
…
美空さんせっかく…」
「美空は、朱夏が向こう帰ってからでも
いつでも会えるし…」
「お腹空いたな…
京ちゃん
美空さんの手料理食べたくなかった?」
「朱夏また作ってよ」
「私、カレーしか作れないもん」
「うん、カレーがいい
朱夏が作ったカレー美味しかったよ
今度は一緒に食べよう」
「ヤダ…」
少し恥ずかしそうにした朱夏が
かわいかった
怒ってる?
照れ隠し?
「まぁ、いいや…
とりあえず、課題見せて…」
怒った朱夏も
はにかんだ朱夏も
笑顔の朱夏も
いつも朱夏はかわいい
昔から
小さい時から
その感情は変わらないはずなのに…
「京ちゃん、ココ…」
「あー、ココね…」
上目遣いの目線とか
プリントを指す指先
近付くとほのかに香る甘い匂い
昔とは
全部同じじゃない
「京ちゃんのカップラーメン買っておいたよ」
「アレ、オレのなの?
朱夏のは?」
「私は、この前食べたから…
京ちゃん、この前怒ってたから…」
別にそのことで怒ったわけじゃない
「朱夏も一緒に食べようよ
お湯沸かしてくる」