転生人魚姫はごはんが食べたい!
思わず様付けしてしまうほどの有り難さだ。何度も頷く私に呆れながらエリクは部屋を出ようとする。
しかし同時に扉が開き、慌ただしい足音が室内になだれ込む。武器を構えた兵士たちは私を中心に取り囲み、じりじりと距離を取る。まるで何かの罪人のような扱いだ。
「ちょっとどういうつもり! この人が誰だかわかってるよね!?」
喋れない私の分までエリクが代弁してくれる。エリクの強気な態度はこんな時には効力を発揮するものだった。
「ですがエリク様、その女は危険なのです! すぐに離れて下さい!」
「はあ? この人がなんだっていうの」
「その女は恩人であると嘘をついてラージェス様に取り入った挙げ句、暗殺を企てていたのです!」
それ、私のこと?
「はあ!? 何馬鹿なこと言っちゃってるわけ?」
ほら、エリクもこう言っているでしょう!
「証拠でもあるの? だいたいこんなことしてジェス君に怒られてもしらないからね!」
エリクの忠告に兵士たちが動揺することはない。それもそのはずで、後から現れた人物が全てを語っていた。
旦那様?
それは彼の指示だということ。
旦那様の隣は見覚えのない女性がまるで寄り添うように立っていた。黒い髪に真っ赤な唇が印象的で、金色の瞳が妖しさを放つ。同じ瞳の色だからつい姉を思い出してしまったけれど、マリーナ姉さんとはまた違った美しさだ思った。
「気をつけてちょうだい。短剣を隠し持っているはずよ」
その一言から私はその場に取り押さえられてしまう。けど身に覚えのない私には探されても困るようなことはなかった。しばらく経っても何も見つからず、困惑したのは兵士たちだ。
「何も所持しておりませんでしたが……」
「本当に? よく探したのかしら?」
困り果てる兵士に女性はおっとりと指摘する。旦那様は口を閉ざしたまま、私たちの様子を眺めていた。でも私の姿はまるで目に入っていないみたいだ。
「部屋でも探しておいでなさい。何か怪しいものを隠しているはずよ」
探したければ探せばいい。どうせ何も見つかるはずがないのだから。これで短剣でも持ち帰っていたら本当に大騒ぎだったけれど……まさかマリーナ姉さんとの会話を聞かれていた?
あの人は私が短剣を所持していると確信していた。あの会話を聞かれていたら王子暗殺事件だと誤解されても仕方はない。
しかし同時に扉が開き、慌ただしい足音が室内になだれ込む。武器を構えた兵士たちは私を中心に取り囲み、じりじりと距離を取る。まるで何かの罪人のような扱いだ。
「ちょっとどういうつもり! この人が誰だかわかってるよね!?」
喋れない私の分までエリクが代弁してくれる。エリクの強気な態度はこんな時には効力を発揮するものだった。
「ですがエリク様、その女は危険なのです! すぐに離れて下さい!」
「はあ? この人がなんだっていうの」
「その女は恩人であると嘘をついてラージェス様に取り入った挙げ句、暗殺を企てていたのです!」
それ、私のこと?
「はあ!? 何馬鹿なこと言っちゃってるわけ?」
ほら、エリクもこう言っているでしょう!
「証拠でもあるの? だいたいこんなことしてジェス君に怒られてもしらないからね!」
エリクの忠告に兵士たちが動揺することはない。それもそのはずで、後から現れた人物が全てを語っていた。
旦那様?
それは彼の指示だということ。
旦那様の隣は見覚えのない女性がまるで寄り添うように立っていた。黒い髪に真っ赤な唇が印象的で、金色の瞳が妖しさを放つ。同じ瞳の色だからつい姉を思い出してしまったけれど、マリーナ姉さんとはまた違った美しさだ思った。
「気をつけてちょうだい。短剣を隠し持っているはずよ」
その一言から私はその場に取り押さえられてしまう。けど身に覚えのない私には探されても困るようなことはなかった。しばらく経っても何も見つからず、困惑したのは兵士たちだ。
「何も所持しておりませんでしたが……」
「本当に? よく探したのかしら?」
困り果てる兵士に女性はおっとりと指摘する。旦那様は口を閉ざしたまま、私たちの様子を眺めていた。でも私の姿はまるで目に入っていないみたいだ。
「部屋でも探しておいでなさい。何か怪しいものを隠しているはずよ」
探したければ探せばいい。どうせ何も見つかるはずがないのだから。これで短剣でも持ち帰っていたら本当に大騒ぎだったけれど……まさかマリーナ姉さんとの会話を聞かれていた?
あの人は私が短剣を所持していると確信していた。あの会話を聞かれていたら王子暗殺事件だと誤解されても仕方はない。