初恋は委員会とともに
寧々の思いと卒業
「もうすぐ卒業式かー。寂しくなるねー、寧々。」
「別に。寂しくなんて無いし。」
「私の前でも強がる気なの?ほんと寧々はバカだね。光輝さんともう会えないかもなのに寂しく無いわけないでしょ?」
「...」
「まあ感情は人それぞれだけどねー。」
「あのさ。麻耶。私、告白しようと思うの。」
「マジ!?」
「今更冗談なんて言わないよ。安心して。気持ちを伝えるだけ。」
「ってことは手紙で?」
「うん。卒業式の日の朝に光輝さんの家に行ってポストに入れてから学校こようと思って。」
「ふーん。寧々にしては意外だね。直接伝えるタイプじゃん?」
「そうなのかな?わかんないけど。」
「まあいいんじゃない?その日は早起きかよー。何時に起きたら着くだろ?」
「来てくれるの?」
「当たり前でしょ!寧々、そうしないと絶対遅刻してくるの目に見えてるから笑」
「麻耶ー!ありがとう!」

「おはよう。寧々、ちゃんと起きたんだ。意外笑笑」
「頑張った。目覚ましめっちゃかけた。」
「それはお疲れ!さあ、行くよ!」
「うん。」
「なんで書いたの?見せてよ!」
「えっ!まあ麻耶ならいっか。あんまなんも言うなよ!」
「はいはい。」

"光輝さんへ
手紙びっくりしたかな?書くキャラじゃないしね笑笑 まずは卒業おめでとうございます。委員会で一緒になって、はじめはすごい嫌だったのを覚えています。でもそれから意外に仲良くできたので、まあよかったのかなって思います。
夏には、麻耶を泣かせたこと私、一生忘れませんから!でも、麻耶と光輝さんが仲直りしてくれたのでホッとしました。
バレンタインせっかく名前を書かずにポストに入れたのに、見抜かれてしまったのは驚きました。光輝さん、バレンタインのカップケーキの意味知ってます?知らなさそうですよね笑 教えてあげませんけど笑 知りたいならネットで調べてください!
ホワイトデーありがとうございました。まさか用意してくれるなんて思って無かったので正直嬉しかったです。
私と光輝さんと麻耶と3人で仲良くできた思い出は一生忘れません。光輝さんもう忘れないでくださいね?
光輝さんのおかげでこの1年はいつものより楽しかったです。ありがとうございました。
私、光輝さんのことが好きです。急にすいません。でも本気で好きです。勝手ですがこれからも好きで居させてください。
本当にこの1年ありがとうございました。神奈川の大学でも頑張ってくださいね!応援してます。
古川 寧々より"

「やばい。なんか私が泣きそうなんだけど...」
「なんでよ、麻耶笑笑」
「だって...」
「ほら、ポストに入れるから返して。」
「はい。」
私はこれまでにないくらいドキドキしてた。ポストに入れるだけのはずなのに...バカみたい...


卒業式は無事終了。私はギリギリ泣かなかった。あいつに泣き顔なんて見せられないしね笑笑 人の卒業式でこんな辛いのはきっと最初で最後だよ。私の恋もこれで終わりにしよう。いつまでもひきづってても性に合わないしね笑笑
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