はやく俺のモノになればいいのに
「なになに。妄想?」
「あいたたた」
妄想なんかじゃないよ。
「ユキさんは私のことすごく大切に想ってくれてるの」
「こっわ」
「病んでるじゃん絶対」
焼かないで。
その子が何をしたっていうの。
「ぬいぐるみに、罪はないでしょ」
「じゃああんたが焼かれたら」
黒ごまのキーホルダーが、プールへと投げ入れられる。
ポチャン
「ちゃんと抑えときなよ」
髪を掴んで引っ張られる。
「いたっ……」
「誓えよ。『私は、もう二度と御幸先輩に近づきません。チョーシにのって、すみませんでした』って」
言いたくない。
「焼かれていいの?」
「私は……っ」
私は――……
「ユキさんに愛されてる」