白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

「龍、どの車にする?
 私はこの緑の。

 いや、カーブ多いコースだし
 バイクにしようかな」



「俺は、ゴールドのバイクな」


「ちょっと!
 私もそれにしようと思ってたのに!」



 そう言って
 俺の腕をバシバシ叩く小百合。

 
 付き合う前と
 距離感が変わらないなと思った瞬間
 小百合の口から
 耳を疑うような言葉が。




「龍に後ろから
 抱きしめてもらいながら……
 バトルしたいんだけど……」


「へ?」


「ダメ……だよね?」



 何、こいつ。

 すっげーかわいいこと言えるじゃん!



 ダメなわけがねえ。

 むしろ俺の方が
 ゲームなんてやめて
 小百合を抱きしめたかったくらいだし。

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