触れたい、できない



…そう、この一見モテそうな爽やか系スポーツ少年。




実はものすごく偏食なんです。




小さい頃から一緒だったからこそ慣れたものの、他人から見たらただの変人だからね。



スポーツやってるんだから、もっとちゃんとしたもの食べなさいって思うけど……



_こいつの主食、おしるこだからね



いやもうびっくり通り越して引くよね…



せめて野菜ジュースとかならマシだったんだけど…



「はあ?なにいってんのお前。このおしるこの美味さ分かんねえとか味覚大丈夫か?」




「いやあんたが大丈夫?」



しまいには私の味覚をバカにしてくる始末。



もうどうにでもなってしまえ。




「でも蓮が前の席にいてくれると助かるなあ…」



私は肘をついてクラスを見回す。



「ははっお前友達作んの苦手だもんな」



「うっ…」



そうなんだよね…私、女の子の友達なかなか出来ないんだ



蓮にはサバサバしすぎてんじゃねえのって言われるけど、これが自分だし。



変えないって決めてるんだけど…



やっぱり1人はちょっと寂しいんだよねえ



「まっ、これからもよろしくね!蓮!」



「おー」



こいつといるのが、今は1番楽なんだ。
< 4 / 53 >

この作品をシェア

pagetop