触れたい、できない




「_あのさぁ、万屋」




「……面倒なことなら聞きませんよ」



資料をまとめながら口を開いた私に、すかさずセーブを入れてくる万屋。




「まだ何も言ってないじゃん!」




2人だけの資料室に、私の声が響き渡る。




_保健室事件以来、唯一いい方向に変わったこと。



それは…



「はぁ……何ですか。手短にお願いしますよ」



……万屋が、少しだけ心を開いてくれたということ。




1ヶ月前に比べたら、ずいぶん柔らかくなったような気がする。



今ではクラスで蓮に次いで話す人物だ。




まあ、毒舌に変わりはないんだけど。




「_もし、好きな人が居るのに、好きでもない女の子がずっと隣にいたらどう思う?」




まとめ終わった資料を置き、万屋を見る私。




そんな私に、心底嫌そうな顔を向ける万屋。




「恋愛相談とか僕、1番向いてな_」




「今聞けるの万屋しかいないの!!お願い!」


< 42 / 53 >

この作品をシェア

pagetop