触れたい、できない
「_あのさぁ、万屋」
「……面倒なことなら聞きませんよ」
資料をまとめながら口を開いた私に、すかさずセーブを入れてくる万屋。
「まだ何も言ってないじゃん!」
2人だけの資料室に、私の声が響き渡る。
_保健室事件以来、唯一いい方向に変わったこと。
それは…
「はぁ……何ですか。手短にお願いしますよ」
……万屋が、少しだけ心を開いてくれたということ。
1ヶ月前に比べたら、ずいぶん柔らかくなったような気がする。
今ではクラスで蓮に次いで話す人物だ。
まあ、毒舌に変わりはないんだけど。
「_もし、好きな人が居るのに、好きでもない女の子がずっと隣にいたらどう思う?」
まとめ終わった資料を置き、万屋を見る私。
そんな私に、心底嫌そうな顔を向ける万屋。
「恋愛相談とか僕、1番向いてな_」
「今聞けるの万屋しかいないの!!お願い!」